レンズの思考。

Lensの思考。

平和な日常を、気の向くままに。

2017年、1ヶ月だけ海外でリフレッシュ。



美術館巡りの3日間。

ニューヨークに滞在する事になって、
一番の楽しみはもちろんジャズ。
でも、それ以外にも楽しみなのが美術館。
メトロポリタン美術館グッゲンハイム美術館、ホイットニー美術館、
MoMA、ブルックリン美術館、イサム・ノグチ庭園美術館
そして写真美術館もあればジャズミュージアムもある。


2週間のうちに全てに行くことはもちろん無理なので、
というのもジャズに費やす時間が多いので、
本当に行きたい所だけに絞って行くことに。


まず訪問したのがメトロポリタン美術館
ニューヨークで一番大きな美術館なだけあって、
館内を一通り見るだけでも大変。
フロアは2つだけど、メチャクチャ広い。
そして人もすごく多い。


アメリカやヨーロッパ、アジアやアフリカといった地域で別れているので、
何となく世界中を見てまわってる感じがした。
ちょっとアフリカに行ってみたくなる様な展示があって、
次はアフリカかな、なんてちょっと思ってみたり。


ここで一番好きだったのはやっぱりデガ。
展示数はそれほど多くなかったけど、とはいっても日本と比べたら全然多い。
なんとなくこの人の作品の醸し出す空気感が好き。


そして、見れる事を期待して行ったLeonardoやRembrandtなどの絵は、
事前予約が必要で見る事が出来ないとの事。
そんな事知らないし・・・。
予約が必要な理由は、人が沢山来るから。
ま、それはそうでしょう。


そんな感じで約丸1日をかけてまわったメトロポリタンはまぁ満足。
そして次に向かったのは近代美術館のMoMA


工業デザインとかも含めて色々と展示されてるMoMAは、
オシャレデザイン雑貨が人気の日本でも有名。
前々から行ってみたいなと思っていたので行ってみた。
ちなみに金曜日の夕方はPay what you wish。


期待していたよりも分かり易い作品、キレイな作品が多くて、
特にピカソのギターシリーズはかなり気に入った。
その中でも手帳にメモされていたデッサンはすごく刺激になった。
アーティストの小さな仕事、アイディアを垣間見れる事は滅多にない。
それが見れた事がMoMAの一番のいいところ。
BoccioniやLegerの作品を沢山見れたのもいいところ。


そしてInternational Centre of Photographyと言う名の写真美術館。
Elliot Williamsの展示をやっていた。

お茶目でユーモアのあるこの人の作品は見ていて飽きない。
撮り方はきっとシンプルなんだろうけど、テーマが本当に面白い。
フォトグラファーというよりもアーティスト。
アートに必要なのはきっとこういう事なんだろうな。


そのICPに特別展として展示されていたのが広島の原爆写真。
広島に原爆が投下されてから、被害状況を調べるために派遣された調査団が
報告のために撮っていた写真を展示していた。
ビルの名前や状況説明、日付を含めての展示はかなり刺激的だった。


高校生の時に修学旅行で訪れた原爆ドーム、そして資料館。
あの時のあの衝撃とはまた違ったものを感じる事になった。
恐らくは海外にいることや3月の震災の後ということ、
そして高校生の時よりも考えられる世界が広がってるからだと思う。


ニューヨークはマンハッタンのど真ん中、一流の写真家の写真が展示されている、
そんな場所で展示されていた原爆投下後の広島を写した数々の写真。
見に来てる人の年齢層も国籍も様々で、多くの人はサラッと流す。
サマリーから読み取れたのはアメリカの行った破壊行為という力の誇示。
写真の説明として書かれた短文から読み取れたのは原爆の恐ろしさ。
現場を見ている人間にしか、その恐ろしさを正確に感じる事は出来ない。
写真という現実を写す媒体であっても、
それを介してしまうだけで衝撃は薄れるのかもしれない。


破壊しか生まない戦争という行為、
少なくともその戦争に対する考え方は大きく違うと思った。
そして過去というものに対しても、他国という同じ地球にある人類に対しても。


WTCサイトが良い例。
現在、新しいビルを建設中。
日本だったら絶対にしないと思った。
原爆ドームを残して、戦争の残酷さや平和の大切さを考える場を残す日本。
テロ行為で破壊された場所をメモリアルホールとして残すものの、
その場をリアルに感じ取れるものを残さずに一方的に押し付けるアメリカ。
国民性や文化が違うというのは本当に大きな違い。


でもそんなアメリカだからこそ生んでくれるものもある。
良い所、悪い所、好きな所、嫌いな所、感じられるものをしっかり感じたい。
どんな事でも、良い経験になる。